早口でそう言うなり、
ガタンと椅子を鳴らして
立ち上がった。



「え? い、今?」



「あっ、オイ花琳!

ちょっと待てよっ!!」



奈緒と将輝が目を白黒
させて口々に呼び止める
けど、『ゴメン』と手を
振って教室を飛び出す。



トイレで返信しようと
思って、はやる心を抑えて
廊下を歩いた。



ところが……胸の位置で
握りしめた携帯に気を
とられてて、思い切り前に
いた誰かにぶつかってしまう。



「……ったぁっ!

あ、ご、ごめんなさい……!」


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