* * *



「なぁ花琳、これもくれ、
これ!」



11月最後の木曜日。



昼休みの教室には、輪に
なってお弁当を食べる
あたしと奈緒と、他の友達と――
それになぜか、将輝がいた。



「……お、うめーな。

やっぱお前の母ちゃん
料理うめぇ〜♪」



勝手に奪い取った煮染めを
頬張る将輝に、あたしは
とうとう堪忍袋の緒が切れる。



「……あのねーーっ!

なんでさっきから、勝手に
あたしのお弁当食べてんのよっ!?

自分のご飯はどーしたのっ、
自分のはっ!!?」


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