苑子さんは、どこか
寂しげに呟いた。



でもそれは一瞬で、すぐに
取ってつけたようにパッと
笑うと、



「――わかった。

引き止めてゴメンね。

それじゃ、また来月」



「……はい。さよなら」



軽く会釈を返して、今度
こそ本当にあたし達は離れた。



だけど一人になって
からも、あたしの心は
ザワザワと、なかなか
静まってくれなかった……。





     * * *


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