思わず声が漏れた。



その声は風に乗って相手の
耳にも届き、その人は長い
髪に手をやりつつ、パッと
顔をあげる。



「花琳ちゃん……!」



「苑子(ソノコ)さん――…」



あたしより大人の、
キレイな女の人。



久しぶりに会ったけど、
去年よりもまたグンと
大人っぽくなってる……。



「――久しぶりね。
元気だった?」



距離が縮まると、立ち
止まった苑子さんは
フワッと微笑んで言った。



「……おかげさまで。

苑子さんも、元気ですか?」


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