「にしてもお前、変わってんな?なんつーか・・・冷静っつーか・・・落ち着いてるっつーか・・・」
「冷めてるっていいたいんだろ?」
「違う違う!なんか大人っぽいなぁ・・・って思ってよ(笑)あっ名前なんてーの?」
「人の名前きくまえにテメーの名前いえっての。」
「ごめんごめん。俺は甲斐!!よろしくな!甲斐でいーから。んでお前は?」
「お前っていーかたやめろ。」
「やめろっていわれてもよー、名前しらねえしよー。」
なぜかこの時俺はコイツに・・・甲斐にお前って呼ばれるのに無性にイラついてたんだ。
「・・・華緒。」
「ん?もっかいいって?俺耳わりぃんだわ。」
「華緒っつってんだよ。」
「華緒な!!!よろしく!!!」
そーいって甲斐は手を出してきた。
「なに?」
「握手だよ握手!」
そんなことくらいわかってる。
ただ・・・
ただ人に触れるのが怖かった・・・
あの日の出来事がフラッシュバックして・・・
怖くて怖くて・・・
自然と体が人を拒否するようになっていたんだ。
「やだ。」
そしてついに、甲斐のことまでも・・・
俺のことを変えてくれるかもしれないヤツまで拒否してしまった。
きっと優衣香のときと同じようにもーついさっきみたいには話しかけてくれない・・・
そー思っていたのに。
「そっかぁ・・・俺のこと嫌い・・・?」
捨てられた犬みたいな・・・悲しそうな顔をしていた。
すると俺は自然と口が動いて・・・
「嫌い・・・じゃ・・・な・・・ぃ?」
「ブハッ(笑)なんで疑問形!?まじでおもしろい!!じゃぁ無理しなくていーから。何かあったんだろ?だったら無理しなくていーから、自分が大丈夫って思えたときに今度は華緒から握手して?なっ?」
甲斐は・・・いままでのヤツとは全く違った。
俺のことを理解しようとしてくれて・・・
自然と涙があふれてきた。
「ぅっ・・・っ・・・」
久しぶりにに泣いた・・・
しかも今日初めて知り合って、初めて会った、初対面の男の前で・・・