「こんばんは。」


「…どうも…?」




――もう、あの写真に映る彼女を見たときから。本当は自分で感じていたのかもしれない。


俺自身、彼女に、茉希に、惹かれているのだと。



帽子を奪って間近で見た彼女の瞳は、色で例えるなら赤色。でもその綺麗な赤色の真ん中に、黒色が広がっている。


ただの興味だったはずが、彼女を知りたいと強く思った。



興味は、茉希を手に入れたいという、本気に変わっていく。




強い目をした綺麗な彼女は、確かに真っ直ぐで強い女の子だったが、脆く儚い存在でもあった。


それはもう呆気なく。

俺の方が直ぐに茉希に依存したのだ。





――絶対に手離さない。