勿論、家や親父からの連絡はほとんど無視。まあ、たまには出るけど。

…俺がこうなったのは、兄貴のせい。



兄貴が、家を出たせいだ。家との縁は切ってないから、まだ後継者ではあるんだろうけど。゙とりあえず゙今は俺がそこに置かれている。


なんだよ、とりあえずって。



兄貴だけ好きができて、俺だけ縛られんのか?そんなん納得できないでショ。俺だって、今を楽しみたいんだよ。




「茉希、ねえ…。」




彼女は、俺の人生に何か色をつけてくれるのだろうか。どんな色にも勝る黒色さえも塗り潰してしまうような、そんな色を俺の未来に。


――――楽しみだ。



俺は写真を封筒にしまうと、元あった場所にそれを戻す。


さて。会う前に少しだけ、゙彼女を知っておこうかな。゙