「うわ…ッ!?」


倒れる、とその衝撃に備えて固く目を瞑った。



……が、暫くしてもそんな痛みはどこにも無く。

代わりに、何かが私を背中から優しく包み込んだ。




「俺を探してくれたの?」


そこには、クツリクツリと喉を転がして笑う声とあの日の…

私をからかい、惑わし、でもどこか冷たい瞳をしたあの笑顔があった。



「あ…お…?」

「うん。久しぶり占い師さん。」


自身の名前を呼ばれたことがお気に召したのか、にこり、満足気に笑って見せると。



グイッと私の顔を覗き込んでくるから。瞬間的に頬が赤くなってしまう私を見るなり青はさらに笑みを深くして。


「嬉しいな。占い師さんが追いかけて来てくれるなんて。」



ね?と微笑む目の前の男に軽く舌打ちしたくなる。