頬がどんどん熱くなって、心臓もウルサイ。
腰に回った腕の力が緩んだと思ったら、肩を掴まれてくるり。青の方を向かされる。
「……痛い。」
「ごめん。」
そんなこと微塵も思っていないくせに。
にこにこ笑った顔のまま言われても腹が立つだけだというのに。
真っ直ぐにそのビー玉を下から睨みつけるが、ギラギラと獲物を見るような輝きが増す。
悪戯に口端を引き上げて、男は言った。
「誘ってんの?」
……え、ええぇえぇええぇええ!?
何言っちゃってんのこの人!!怖い、怖いんですけど!!
勘違いも甚だしい。
うんざりしたような怪訝な顔と目つきで青を見上げれば「あはは怖いよ」と。
お茶目度合いが気持ち悪い。
視線を外して溜め息を一つ。
と。
急に体が浮き上がり、シンクの横に座らせれる。