まず、出生からして失敗だった。

そう・・・生まれなければ良かったと、何度思った事か。


どれほど頑張って、足掻いても、若い二人にとってはあたしは大きな足枷だったのだろう。

生まれてからたった10日目で、両親はあたしを捨てた。
親戚に責任を擦り付けて、どこかに消えていったのだ。

あたしの名前を付けたのは・・・誰なのだろう。

その後、あたしは血が繋がっているのかも分からない「親戚」というループを回り続けた。

幼稚園には行っていた記憶が無い。行っていたのかもしれないが、記憶が全く無いと等しい。
ただ・・・気の強そうなオバサンがあたしを睨んで、嫌味を言ってくる記憶しか。
それしか残っていない。

ランドセルなど、新しいものを買ってもらえるハズが無かった。
はとこだか誰かの、お古という名のガラクタを使っていた。
そうそう、高学年になったころ、サイドの布がはがれて悲惨な事になっていた。
その頃「居させて戴いた」、家庭が悲惨だった事にも起因していると思うけど。

中学に入ってからは、今目の前に居る男に回されてきた。
あたしはここで、女に生まれてきたことを嫌と言うほど後悔させられた。
この家を見るだけで気分が悪くなる。
なんで・・・こんな男のところに―――――。