「ごめんなさいね。ビックリしちゃったみたい。
 あの子には、あなたが父親だとまだ話してなかったの」

部屋から裕美の声が聞こえた・・・



父親・・・・
あのおやじが・・・・



・・・ウソだろ・・・
どう見ても俺には似てないぞ・・・・
歳だってかなりいってそうだし・・・


どういう事なんだ・・・


俺は今まで個室に呼ばれて行った時の
客の数を数えた・・・


・・・3人はいるよな・・・


まさか全部俺をそいつらの息子だと紹介してたのか??



部屋の前で呆然としてると

あいつが俺の腕を掴んで店の外へ連れ出された。


「ちょっと!!何あの態度!笑顔って言ってあったでしょ!!!」

まくしたてるように叫ぶあいつを
俺は睨みかえした。

「なんだよ父親って!絶対違うだろ!ひっくり返っても似てないし!
何人いるんだよ俺の父親って奴は!!いい加減にしろよ!!!!
だいたい俺がお前の子かもわかんえし!勝手に言ってんなよ!
突然やってきて訳わかんないままここに連れてきてお前は何なんだよ!
俺の母さんはあんたじゃない!父さんもあんな奴らじゃない!」


俺は今まで我慢してきたものも一緒に吐き出した。


「あんたは私の子よ!私が産んだの!!」

なんの悪びれもなくあいつは言い切った。

「確かに育てたのは私じゃない。・・・でも私が産んだの!!」


それだけ言うとあいつは店に戻って行った。



・・・何なんだよ・・・・