その翌日、
転校生として紹介されたのが

【岡田 舜】

担任の横に並んで
無愛想で真っ直ぐ前を見据えた姿は
今でも鮮明に覚えている・・・・


誰も俺の隣には座りたがらなかったから
当たり前のように空いていたその席に
舜が座ったんだ・・・・


隣に人がいる。
無愛想で会話らしい会話はしなくても
敵意のない人がいる・・・
俺はただそれだけで嬉しかった。


昨日の今日で
俺を殴ってからかっていた奴らは
もちろん舜にもその矛先を向けようと
ギラギラしていた・・・・


その日の放課後
俺はいつも以上の人数の
サウンドバック代わりになっていた。
うっすらと舜の姿を見えたところで
俺の意識は飛んでしまった・・・・


気付いた時には
周りは誰もいなくて
制服の乱れもなおさずに
遠くを見ている舜が隣にいた・・・


舜はなにも言わないし
周りも何も言わないが、
舜が1人で全員を相手に圧勝した
って事ぐらいはなんとなく分かる。


それから舜がまるで壁になってくれてるかのように
俺の持ち物がなくなる事も落書きも
俺のアザが増える事もなくなった・・・



それから俺は舜と少しでも一緒にいたくて
死ぬほど勉強して同じ高校に入った。



いじめから助けてくれた事を
何度も何度も感謝すると

舜は決まって

「別に・・・お前のためにやったんじゃない・・・」

そう言っていつも遠くを見つめる・・・


最初は謙遜してるだけだと思っていた。

でも本当に、他に理由があったのかもしれない・・・

そう最近感じる時がある・・・