「つぐみ。挨拶は?」

監督に言われて、つぐみは小さな声で言った。

「喜多見…つぐみです。宜しくお願い…します」

今にも消えてしまいそうな声だった。

「つぐみはそこに座って観ててな。お前等は練習だ」

「「「「はいっ!!!!」」」」


ふと、俺はつぐみを見た。

つぐみは、何も言わず俺達の練習を見ていた。


「あでっ!!」


…余所見をしていたせいで、コケた。