「んあ?なんすかあ?ひとりで帰るの怖いとか?」

「……これなに」

「ばれちゃったっすかあ、前よりはかなりおさえてますよ、まじ部活きついすからねえ」

“パン”

わたしは高田くんを叩いてしまった。

「佐々木先輩がどんなに毎日一生懸命練習してるかしってるでしょ?
明治先輩が高田くんの入部をどんなに喜んだだことか
2年生の中にまだ1回も試合に出たことがないひとだっている、みんな必死なの
高田くんは確かにもうレギュラーとれるかもしれない
でも、だからこそもっと本気になってっ」

「…はい」

高田くんはそのまま部室を出ていった。