タラシに答える必要は無い。
私は本能的に思った。


「べにー。
シカトすんなー」


「私は『べに』じゃないし。
バカトモ」


ちゃんとれっきとした『アカネ』という名前があるんですよーだ。
腹が立った私は冷たく言い放った。

すると、友輝は私の正面に割り込み…


「はぁ??お前だって俺の事『ゆうき』なのに昔っから『トモ』って呼んでんじゃんかよ!!
俺は『ともき』じゃねぇ!!
『ゆうき』だ!!」



う゛…。
…だ、だってあの時は幼かったし、『トモダチ』の『トモ』だと思ってから…
なんて、心のなかでブツブツと文句を言ってみた。

…だから…だからッ!!
あんなヤツ!!
『ともてる』で
良いんだいッ!!(←意味不明)



「ふんっ。
トモなんて『ともてる』で十分だっつーの!!」



そう言い放った瞬間、「はぁ!?」とこめかみに青筋を浮かばせた鬼(ともてるLv.50)が現れた。


やば…
キレさせた…






「んだと、テメェ!!
『べにこ』のクセに!!」






その言葉に私もプチーン。



「なによ!!
タラシのバカトモ!!」

「あ゛ぁ゛!?」










「はいはいはい。まったく。
二人とも小学生みたいな喧嘩はよしなさいよ」