……───
…───
いつもの賑やかな教室。
机に向かっているとにふと声をかけられた。
「アカネ~。
移動教室だから行こ??」
「うん。」
私、本田紅子(ホンダアカネ)はクラスのみんなから『あかね』と、ちゃんと呼ばれてる。
…ただ、1人だけを除いて。
私の席の後ろの列の一番右にいる、あいつ。
「やっぱさ、AKS38よりKAREの方がいいね。腰がなかなかエロくて良いと思う」
友人とくだらない話をしている彼。顔は小顔に切れ長の目。キリッとした眉にスーッと伸びた鼻。誰もがキスしたくなるような唇にツルッツルの肌。髪型は黒に前髪を斜めカットしカッコつけてる。まぁ、簡単に言えばモデルになってもいいくらいの容姿をもつ。
「べに~!!
お前は誰が…ってそう言えば、お前は東野ハナ派だったな。」
そう言い終わるとニカッとはにかんだ。おやおや、周りの女子が倒れかけてますよ。
彼こそが、
一条友輝(イチジョウ ユウキ)。
唯一、私の名前を「べにこ」と読み間違い(幼稚園の時)そのまま「べに」と呼んでいるアイツは幼稚園からの幼なじみ。
まぁ、腐れ縁に近いかな。
「さてと、そういえば移動教室、どこだっけ??」
友輝の問いかけに答えず友達に話をふった。