ふと、視界の端に昨日の女の子が。
「あぁ゛ー!!!!」
ガタッ
私は席を立つ。
「どうした美琴?」
間違いない…。昨日の子だ…
「あの子よあの子!今廊下にたってる子!!!」
私は二人のそういって、
廊下を指をさす。
「えー?」
「どこどこ~?」
二人は見つけられないのか
視線は彷徨っている。
「だから、あの子だってば!
こっちに向かって手を振ってる子!」
私は必死に伝える。
なんで手まで振ってるのに気が付かないんだろう…
「……誰もそんな子いないけど?」
小夜は困ったように頬杖をついた。
「きのせいだよぅ~」
茉林もそういう。
「えっ!?でも確かに…」
「見間違えたんじゃね?
それらしき女子なんて見当たらないけど?」
……そんなはずはない。
確かに彼女は
こっちに向かって手を振っている。
現在進行形で。
…………
おい、ま☆さ☆か
「ふっふたりとも、私、次の授業さぼる。」
私は席から離れ、屋上に向かう。
授業がそろそろ始まるが、それどころではない。
「おー。あたしらは大丈夫だが、次の授業英語━━━って………行ったか…」
「…みこちゃんまた補習だねぇ…」
そんな二人の会話は
私には聞こえていなかった。