「ごめんだけど、今日部活なんだよね…じゃあな。」
「あたしも用事あるから帰るね?
みこちゃんばいばーい」
二人は教室からでて行ってしまった。
「…え?!ちょっ…まっ…
こんの薄情者ォオオオオオ!!」
…どうやら私は
置いていかれたらしい。
…仕方ない。
課題終わらせよう…
「終わったぁあああ!!」
悪戦苦闘しながら課題を終わらせた。
私だってやればできる子。
先生に課題も提出したし、
もう帰ろう…
疲れたし、もう6時近いし…
ふと顔を上げると
黒板の近くに女の子がいた。
透き通るような肌に
綺麗な黒髪が腰までのびている。
やばい、私ってば変態臭い。
いかんいかん。
誰だろう…
制服きてるし、
ここの生徒だろうか…
うーんと唸ってると、
「あっあのっ!!」
いきなり声をかけられた。
「っΣなに?」
声が裏返ってしまった。
私ってばダサすぎる。
仕方ないじゃんよ?!
美少女だよ?この世の宝だよ?
茉林と小夜も美少女達だけど
彼女は別格だ。
いかんいかん。
トリップしてた。
意識を戻すと、黒髪美少女(仮)は
目の前にいた。
いっいつのまに…
全然気付かなかった…
「っ……」
彼女は何か言おうとしているのか
口をパクパクさせている。
「えーと…私に何か用ですか?」
「つ…」
「…つ?」
「付き合って下さいっっっ!!!!」
…………………
思考が一時停止。
『付き合って下さい』
…………………
「はぁ゛ああああああ??!!」
私の叫び声が教室に響いた。
ちょっと何いってんのこの子??!!!!
そっち系の方なのぉお?!
「…あの…」
「確かに美少女だけども…(ぼそぼそ)」
「…あのっ!…」
「(いけないっまたトリップしてた…)えっと…?」
よく見てみると、
私より幼いというか童顔だ。
後輩か?
いかんせん、
彼女をどうにか説得せねば…
「えっとさー…私、君のこと知らないし…」
やぶぇ…冷や汗ハンパねぇ汗
「…」
そんな捨てられた子犬みたいな顔しないで泣
罪悪感やばいんだけど…
「それにうん。そのー…
君にはもっと素敵な人ができると思う…。だから私とは━━━
「アナタじゃないとダメなんですっ!!」
「(え゛え゛えええええ
うそだろΣ)」
もう泣きそうだ。
……落ち着け美琴…
焦るな…落ちつけ…
深呼吸だ、ヒーヒーフー
「……しかしだなぁ…第一に……ってあれ?さっきの子は…?」
黒髪美少女はいなくなっていた。
「なんだったの…?」
ちょっと待って
軽くホラーなんだけど。
背筋が冷やっとしたんだけど…
「━━━━ってことがあったんだけど」
私は次の日の昼休み、
昼御飯を食べながら
茉林と小夜に昨日あった事を話した。
「んー。美琴にも春がきたんじゃね?」
小夜は全く興味がないのか、
雑誌を見ている。薄情すぎる…
「みこちゃんモテモテ~」
茉林は自分のことのように
喜んでいる。
「んなことあってたまるかー!!!!!怒」
冗談じゃないよっ!
私は決してそっち系じゃ…
「いーじゃん。恋に性別関係ないし。」
私の心の声が聞こえたのか
そう言い放つ。
「そんな問題じゃねーよっΣ」
思わずツッコむ。