おばけのれいちゃん



「うっうるさい!!
ちょっと英語の点数が足りなくて…」


仕方ないのだ。
出来ないものは出来ん。


「みこちゃん、また補習?」


「そーいや、破滅的だっけか?
他の教科はできんのにねぇ…ぷっ」


「笑うなぁあああああああ」

二人の言葉が
ブロークンハート(笑)に
突き刺さる。


「どうやったら赤点とるんだか…勉強すればとれるって」


「くっ…痛いとこをつく…」

日本人なんだから
英語なんて使わないよ…多分。


ぼっそというと

外国人に道聞かれたらどうすんだよ。
と小夜に一刀両断 。




「私は赤点とったことないよー」

茉林はギリギリ赤点
じゃないだけじゃん


「でも20番以内には必ずはいってるから大丈夫だろ。」

私がかわいそうになったのか
小夜がフォローしてくれるが、
気分はブルー


きのこ栽培できそうなくらい
どんよりしてる。


「…英語なんていらない。」


「そんな膨れっ面すんなって。可愛い顔が台無し」


~っ//////
今のはときめいた!


「じゃあ、あたしら帰るわ。」


「え?」


小夜のセリフに一瞬かたまった。



「ごめんだけど、今日部活なんだよね…じゃあな。」

「あたしも用事あるから帰るね?
みこちゃんばいばーい」


二人は教室からでて行ってしまった。


「…え?!ちょっ…まっ…

こんの薄情者ォオオオオオ!!」


…どうやら私は
置いていかれたらしい。


…仕方ない。
課題終わらせよう…




「終わったぁあああ!!」


悪戦苦闘しながら課題を終わらせた。

私だってやればできる子。
先生に課題も提出したし、
もう帰ろう…
疲れたし、もう6時近いし…

ふと顔を上げると
黒板の近くに女の子がいた。


透き通るような肌に
綺麗な黒髪が腰までのびている。


やばい、私ってば変態臭い。
いかんいかん。


誰だろう…
制服きてるし、
ここの生徒だろうか…



うーんと唸ってると、


「あっあのっ!!」


いきなり声をかけられた。

「っΣなに?」


声が裏返ってしまった。
私ってばダサすぎる。


仕方ないじゃんよ?!
美少女だよ?この世の宝だよ?


茉林と小夜も美少女達だけど
彼女は別格だ。





いかんいかん。
トリップしてた。


意識を戻すと、黒髪美少女(仮)は
目の前にいた。


いっいつのまに…
全然気付かなかった…


「っ……」


彼女は何か言おうとしているのか
口をパクパクさせている。

「えーと…私に何か用ですか?」


「つ…」


「…つ?」



「付き合って下さいっっっ!!!!」









…………………
思考が一時停止。


『付き合って下さい』



…………………




「はぁ゛ああああああ??!!」


私の叫び声が教室に響いた。





ちょっと何いってんのこの子??!!!!
そっち系の方なのぉお?!


「…あの…」


「確かに美少女だけども…(ぼそぼそ)」


「…あのっ!…」


「(いけないっまたトリップしてた…)えっと…?」


よく見てみると、
私より幼いというか童顔だ。
後輩か?


いかんせん、
彼女をどうにか説得せねば…





「えっとさー…私、君のこと知らないし…」


やぶぇ…冷や汗ハンパねぇ汗


「…」


そんな捨てられた子犬みたいな顔しないで泣
罪悪感やばいんだけど…


「それにうん。そのー…
君にはもっと素敵な人ができると思う…。だから私とは━━━


「アナタじゃないとダメなんですっ!!」


「(え゛え゛えええええ
うそだろΣ)」


もう泣きそうだ。