君の苦さはどこにあるの?

あたしばっかり?

どうして届かないの?

どうすればいいの?

それとも、届いてるの?

受け取ってるの?

しゃくりあげて、あたしは唇を噛み締めた。


「大丈夫かぁ?」


首を横に振る。
大丈夫なんかじゃない。
ねぇ教えてよ、どうやったら届くの……。


「大丈夫じゃないわけね」


彼の苦笑。
ま、いいかと小さく呟いたのが聞こえた。


「泣いたトコ見るのなんて、久しぶりだなぁ。俺のせい?」


今度は首を縦に振る。そう、君のせい。


「俺のせいか。そっか。」


通りすがる人皆見てるんだろうなぁ……恥ずかしくないかなぁ。


「ちょっと座る?」


あたしの手をひいて土手を少し降りると、強引にあたしを座らせた。
青臭い匂いがして、あたしは息をつく。
彼の顔が間近にあって、ひっくひっくと肩を上下させながらもあたしは体をひいた。


「ご、ごめ…ん」

「なんで謝んだよ」


笑い声が耳に優しい。あぁ、その声で今すぐ、すきって言って。


「ずっと泣きたかったんじゃないの?」

「え…?」

「そんな感じだよ」


自分の手の甲で涙を拭った。
彼のこんな優しい顔、久しぶりに見た気がする。
あたしがちゃんと見てなかっただけなのかな。