「あったか〜いッ。」


冬の夜の寒さは、顔や手に痛みさえ感じる。 

コンビニの中が天国のように感じた。




雑誌に手を伸ばしたももちゃんのとなりに、あたしは立つ。 

適当な雑誌を、
適当にめくりながら、
となりをちょっと見上げると……
ももちゃんの顔が見える。 



あたしの視線にももちゃんは気付く。

フッと笑いながら、腕であたしを突く。 



「なんだよ〜。」


「なんでもないよぉ。」




ただそれだけの事が、 


ただそれだけの瞬間が、




たまらなくしあわせだった。