「ももちゃんはね……。」

よっちゃんはずいぶん溜めている。
なかなか言わない。 
あたしは黙ってよっちゃんが口にするのを待った。 

あたしに言いにくい事なの? 



あたしはそんなに口にするのを躊躇うよっちゃんの気持ちが、理解できなかった。 

口にしようとしている言葉にも、想像がつかなかった。 


ただひたすら待った。 



そしてだんだん感じる…。
どれだけ言いにくい事を、言おうとしているのか。 


「ももちゃんね………」


よっちゃんは話し出した。 


あたしは持っていたジョッキをギュッと掴んだ。 










「…………ももちゃん、結婚するって……。」 













結………婚……………? 












ヤバ…… 










やっぱりショックだ……。 






あたしは更にジョッキの取っ手に力を込めた。半分近く残っていたビールを一気に飲み干した。








絶対泣きたくない。 





もう………。