「春菜……?」 

ももちゃんが動いた。 
泣き伏せっているカノンちゃんの肩をゆっくり叩きながら、声をかける。

「春菜…、…………本当なの?」

カノンちゃんは伏せたまま、大きく2度頷いた。 

あたしの胸にその光景が突き刺さる。 
重く重く突き刺さる。 

苦しい。 
痛い。 
息ができない。 



なんで……? 

ねぇ、
なんでよ…ももちゃん…。 


ももちゃんはカノンちゃんの頷きを見て、頭を抱え込むようにして座り込んでいた。




ももちゃんとカノンちゃんは、あたしの知らないところで付き合っていた。 
あたしはカノンちゃんのケータイに残っていた、二人の写真も見ている。 

二人が深い関係だったことは、とっくに分かっていたことなのに…… 


なのに……… 





妊娠? 
あかちゃん…? 






その行為が…
頭に浮かんで…… 

 


頭から…離れなくて…… 




胸が痛い。 
息ができない。 
立って…いられない…。












あたしは 



あたしは……。