「あたしはきちんと話がしたいの!殴っても振り回してもなんにもかわんないでしょ!?」 

あたしはカノンちゃんに向かって言った。あたしの言葉を聞いて、ももちゃんもカノンちゃんを見る。 

「……ホントに…悪かったよ…春菜…。ごめん…。でももう俺は……。」 

「謝るくらいなら……別れないでよ。あたしは別れたくない!あたし……」

カノンちゃんの目が潤んでいくのが見えた。

「ももちゃんはあたしのために他の切ってくれたと思ってたのに……。っていうか!あたしはももちゃんが、いろんな女と付き合ってても、それでもずっと好きだったんだよ!?あんたにそれができんの!?すぐ逃げ出すんじゃないの!?」

あたしに…今度はあたしに強く言ってきた。その目はやっぱり怖かったけど……、そんな風に言われて黙っていられない。 

「あたしだったら……、確かに知った時点で別れる。自分以外の彼女を認めるなんて…、そうすることが気持ちの大きさに比例するなんて、あたしには思えない!」

どうして浮気を黙認することが偉いみたく言われなきゃいけないの!?
あたしも彼女の言動に、イライラし始めていた。 


「う……うるさいッッ!あたし……あたしは…ッッ」 

泣いて駄々をこねる子供のように、カノンちゃんは腕を振り回して、更に泣き出した。 

そして……座り込む。