あたしはメイクを軽く直して、ももちゃんのアパートを出た。 

〔鍵……どうしよう…。〕

迷った末あたしは鍵をバックに入れた。 

〔ももちゃん…自分から出ていったんだから、鍵くらいどうにかするよね…。〕







重い。 
心も身体も…重くて…、
太陽の下に出ると…その眩しさが、逆につらくて…、なんだかやりきれない気持ちでいっぱいになった。


車に乗ってエンジンをかけて…、あたしは走りだした。 



〔どうしよう…〕




何度も何度も、心の中で呟いていた。 



赤信号に停まるたび、あたしはケータイを開いた。なんの変わりもない。ももちゃんに電話をしようかと、何度も思ったけど…、どうしても出来なかった。 

何を言えばいいのか、分からなかったから…。