「帰るッ!!」 

なんで?
なんであたしが怒られるの?

あたしは玄関の方に歩きだした。

別れるとか、別れないとかじゃなく、これ以上ここにいたくない、そう思ったから…。 

「おいッ!」

ももちゃんはあたしの腕を掴んだ。力一杯掴んで引っ張る。 

「ちょっ…離してよッ!!」

「どこ行くんだよ!?」 

「帰る!!」 

「帰れるわけねぇだろ!どんだけ酒飲んでると思ってんだよ!」 

「じゃあ歩いて帰るッ!」

「愛希!!」

「だったら送ってよ!!もうやだ!も〜ッ!クラクラするし、頭痛いし、気持ち悪いしッ!もうやなの!!帰る!」


「――ッッ!分かったよッッ!!」
 
ももちゃんはそう言ってあたしをリビングに引っ張って行って、突き放した。 

「ったあ…、ももちゃん!ッ?」 

「そんなにイヤなら俺が出てく!おまえは酔い覚ましてから帰れッ!!」 

「は…、えッ?」

ハタバタバタ バダンッ!

ももちゃんは荒っぽく音を立てて出て行った。