「それで……みさきさんどうしたんですか?」

「どうした……って……。」


ゆいちゃんは一口サワーを飲んで、またジョッキを置いた。 


「ももちゃんはあたしのもんだーッ!!バキッッッ!!………とか…。」 

「やんないよ…。」


あたしはため息をつきながら答えた。 


「なんで!?戦わなくていいんですかッッ!?取られちゃいますよ!?」 

「だって……もう分かってるんだよ?これ以上なにかしても……、いや、ちゃんと話はしたいけど……。」

「何をそんなにわかってるんですか!?」 

「え?」 

「そんな簡単にすべてが分かるなんてありえないと思いますけど!!………みさきさんッッ!」


ゆいちゃんは自分の席を立って、あたしの隣に座った。ジッと、見つめながら言う。 


「真実なんて、そう簡単に分かるもんじゃないですよ!」 

「…………。」 

「いいんですか!?これで終わっても!」 

「でも…」 

「だーいじょうぶですよッッ!今のあたしたち、どんだけドン底にいると思ってるんですか!?……これ以上『下』なんてないですよ♪」 



ゆいちゃん…。 



「あたしだったら聞きたいし、見たい。『全部バレてるよ』的な話をしたら…、なんて言い訳するのか…。」


「ゆいちゃん、あたしね…、悔しいんだよ。」

「わかりますよぉ…。」

「……そうじゃなくて………。」 


あたしはフィルターに達しそうなタバコを、灰皿に押しつけた。 


「……………まだ……、こんなことになっても……、まだどこかで信じてるの。間違いだって…。あたし………。」



泣きそうだった。 



溢れてくるから……。 



心が 
気持ちが…… 









「あたしももちゃんが好きなんだよ……。 





会いたい………。」