手が震えた。 
ケータイが握っていられない。
 
電話を切っても、よっちゃんの言葉は消えなくて、あたしの中で何度も何度もリピートされ続けた。




ダメだ…。 



きちんと、自分で確かめなきゃ……

確かめるんだ! 

あたしはケータイを持った。 
リダイヤルでももちゃんのケー番を出す。 
でも…… 

通話ボタンが押せない。 


逃げるな。 





Tu ru ru ru ru...
「!!」

突然鳴った着信音に体中がビクッと反応した。 

電話は、店長だった。


仕事の事かな…。やだな、今日……
行きたくない……。 
でも……、 

あたしは考えながら電話にでた。

「……はい。」
「もしもし?みさきちゃん?おはよう!」
「…おはようございます…。どうしたんですか?」
「今日はちょっと早めに来れる?」 
「え?」 
「今、予約入っちゃったんだよ。3時だから…平気?」 

予約…?
3時?……やだな………
行きたくない。 
行きたくない。 
行きたくないッ。 


でも… 

「店長、今日カノンちゃん来ますか?」
「カノンちゃん?来るよ?」
「……わかりました。行きます。3時に。」





ももちゃんが何ていうか分からない。 






先に、カノンちゃんに聞くんだ。