「あっ♪みさきちゃん、おはよ〜♪♪」

カノンちゃんがあたしに気付いて、ニコニコしながら寄ってきた。

「おはよ。 
なんかいい事あったの?」

一応、聞いといた。 

「わかります〜??♪♪えへへッ♪」


わかるよ…。 


「この前、カレシの事少し話したじゃないですか?」

あぁ…、
覚えてるよ。 

彼女に風俗やらすわ、
女にだらしないわ、
の、最低男だったよね。 

それでも 
“好きだから、別れられない”
って、言ってたカノンちゃんが、
あたしには理解できなかった。 



けど、 




今なら少しだけ…
分かる気がする。 





『それでも、好きだから……』




「聞いてる?みさきちゃん?」

「あぁ、ごめんごめん。 で?なんだっけ?」

「そのカレシが、どうやら、私以外の女、みんな切ろうとしてくれてるみたいなんだッッ!!」

「えぇッ!?それはよかったじゃん!でも、なんで分かったの?」

「カレシが他の女に電話してるの聞いちゃった♪まぁ、要は盗み聞き?」

「盗み聞き……、あはは。
あ、でもそれじゃ、ウソとかじゃないんじゃない?カレシなんて言ってたの?」

「『もう、こういう関係、やめようと思う。今までごめん。』みたいな? 
あっ、あとねッ『大事な女、大事にしたいんだ。』みたいな事? 
もう、すっっっごく、嬉しい♪幸せ♪♪あーーっもう、ホントよかったぁッ!」

「そっか…、よかったね。」

「うん♪」


ホント……幸せそ……。 

いいな。 


何がいいのかわかんないけど……


いいな……。