ロータリーの端に車を停めて、スウェット姿のももちゃんが走ってくる。    

なんとなく……
目を合わせずらい。 


「愛希!」


あたしは目の前に立つももちゃんの声を、聞こえながらも…………

俯いたままでいた。


「愛希ッッ!!」



ちょっと苛ついたように、ももちゃんはあたしの腕を掴んで、車に乗せた。 


どうしてこんな態度を取ってしまうのか分からなかった。 




会いたかったのに……。 



聞きたいのに……





なんであたしは……





泣いてるの……? 





車は走りだした。