「そんなの信じない!」

あたしはそう強く言い放って、立ち上がった。 

「それならそれでいいけど…。」

よっちゃんは冷静で
それが返って、余裕のないあたしには、腹ただしくて……よっちゃん睨みながら言った。

「だいたい、嘘でもホントでも、友達のそういう事、なんで言えるの!?普通友達なら言わないでしょ?あたしはそういう人の言うことなんて信用できないから!」


苛立つ。 
不安が押し寄せてきて、
冷静でいられなくなる。

怖い…。 


「じゃあ、アキちゃんはももちゃんの事は信じてるワケ?全部?本気で?少しも疑わず?」


「信じてるよ!信じるって決めたんだから……!あの時から……」

「あの時…?」



あの時…
1ヶ月間連絡が取れなかったとき、
あたしがももちゃんを信じてさえいれば、 

なおくんとあんな関係になんて、ならなかった。 

出会うはずもなかった。 

再会できたももちゃんの傍に……なんの迷いもためらいもなく、いられたはずだっだのに……。 



「ももちゃんは…あたしを探してくれた……、
ありえない確率の作業を、あたしにまた会うために……。」


「ちょっ…、待って待って!アキちゃん。」

「なに……?」

「それ、信じたの?」

「は?」 





「普通に考えてさ、名前と年しか知んない状態で……、探せると思うの?」

「え……」