あたしは道路の端の縁石に座り込んでいた。 


目の前には、よっちゃんが立って、あたしを見下ろしている。 


あたしはなんとか必死に考えた。 
考えようとした。 







あたしはよっちゃんに問い掛ける。 


「ももちゃん…が、今、何人かの女に、股掛けてるってこと……?」

嘘でしょ…?

「今っていうか…、もう何年もそうやっていろんな女と付き合ってたよ、ももちゃんは。」 

ありえない……。

「………あたしも……、その中の…、1人だって言うの……?」 

嘘だよ……そんなの……。

よっちゃんは少し間を開けて言った。


「ただ、ももちゃんいつも、相手の女たちにはちゃんと言ってたんだよ。
“俺、1人とだけは付き合えない。それでもいいの?”って。
だからももちゃんの女はみんな、知ってるんだよ、自分は本命じゃないって。 

でも、アキちゃんは何にも言われてないんでしょ?」




信じられない。 






あたしには信じられない。






よっちゃんが嘘をついてる。 






そうとしか思えなかった。 









あたしが騙されてる。 



と、よっちゃんは言った。