居酒屋を出た所で、よっちゃんに腕を掴まれた。 

「何でそんなに怒ってるの?」

わかんないのかよ! 

自覚のないセリフに、あたしのイライラはピークに達した。


あたしは掴まれた腕を振り払いながら、言い放つ。 

「友達の彼女、遊びたいから誘うとか、あたしには意味分かんない!友達裏切ってんじゃん!最低だよ!」

よっちゃんの表情が変わった。

さっきまでのテンションの高さも、笑顔も、消えていく……。

あたしはよっちゃんから目を反らした。


よっちゃんは歩きだした。車に向かって。



あたしは歩いて帰ろうと、違う方向を向いた。


「ももちゃんは怒んねぇよ。いつもの事だし。」


あたしはよっちゃんの方を見た。



「本気だとか思ってんの?」



「は…?」






「自分がももちゃんのオンリーワンだとか、思ってるわけ?」






「…………意味が、わかんないんだけど………。」










「だから、何にも知らないのに?って聞いたんだよ。ももちゃんの仕事とか、女の事とか何にも知らないんでしょ?」 










仕事の事?






………… 
女の事………って……何? 







「ももちゃん、女何人いるか知ってんの?」 










な…に………言ってるの…?