ももちゃんの部屋を出たものの……、あたしはアシがない事に気付いた。 

昨夜は居酒屋からももちゃんの車だったし、その前はゆいちゃんの車に乗せてもらってきたから。

あたしの車は仕事場近くの駐車場に止めたままだった。

ここは駅まで30位はかかる。 

タクシーが通る都会でもない。 


困ったな……。 


仕方なく、あたしは駅まで歩くことにした。 



tu ru ru ru ru...


ケータイが鳴った。 


ももちゃん? 


いや、なおくんかも……。 



「あれ?ゆいちゃん…。」

あたしは電話に出た。 


暇だったら迎えにきてくれないかなぁ…。 


そんな事を考えながら。 

「は〜い!もしもし?」


「みっ…みさき…さん……ッッ……ッ。」


「ゆ、ゆいちゃん?どしたのッッ!?」


ゆいちゃんは、泣いていた。