うまく会話が出来ない。 


うまく笑顔が作れない。 




ももちゃんがなに?


ももちゃんがなんなの?



何も知らないって………


何があるの!?



乱れた思考回路が、あたしの不安を増幅させる。 




ももちゃんは楽しそう。 


よっちゃんも楽しそう。 


だからあたしも今は楽しそうにしなきゃ……。 








「ねぇ!アキちゃん!ケー番教えてよ。」

「え?」

突然のよっちゃんの言葉にももちゃんも少し驚いていた。 

あたしも少し驚いていたけど……

『あ、連絡先交換すれば、話聞ける…?』 


「う、うん!いいよ!」

そう思ってあたしはケータイを出した。 

「いいよね?ももちゃん。ももちゃんの彼女なんだし♪」

よっちゃんは確認するようにももちゃんに聞いた。 

「いいんじゃん?」


あたしは自分の考えや、さっきのよっちゃんの話が頭にありすぎて……

もう、連絡先交換する気満々で……


『これで話の続きができる』


そんな事を考えてたから…

その瞬間、ももちゃんの事は見ていなかった。


その時の……
表情を、見逃していた。 



「アキちゃんの先教えて、ワンギリするから。」

「あ、うん!090********…。」




あたしとよっちゃんのやりとりの横で、ももちゃんはビールの大ジョッキを一気に飲み干した。


そして、無言で見ていた。