「…………」

あたしはその場に崩れるように座りこんだ。

胸が痛くて、苦しくて……、 
何も言葉が出てこない。 


「愛希?」



へたりこんでるあたしの前にしゃがんで、ももちゃんは顔を覗き込む。 

あたしは、ただただ俯いていた。 

目の前が滲んでいく。

瞬きするたびにこぼれる涙を、ももちゃんがどう受け止めたかはわからない。

でも、暖かく抱き締めてくれた腕に、嘘がないことだけは、感じられた。 




嘘があるのは 

あたしの方。  





心の中は、罪悪感と後悔。 


でも、ももちゃんの腕は振り払えない。 




振り払う気持ちも  


ない。 




ずるくても、 


嘘つきでも、 






ももちゃんの傍にいたい。 




誰に何ていわれても……




ももちゃんが一番好きなの。