来るときはあっと言う間だった約2時間弱の道のりが、やけに長く感じる。

もどかしい。 

幸せに感じた長い距離だったのに…。今のあたしにはあせりともどかしさで、落ち着かない。



ももちゃん 



ももちゃん……



あたしは考えていた。 



さっきの留守電のももちゃんの言い方…。

なんだろう。

何か引っ掛かる言い方。


頭の中、ももちゃんの事でいっぱいで……
あたしはずっと無言で俯いたままだった。


「愛希ちゃん。」

なおくんがあたしの手を握る。

「大丈夫だよ。また、明日でも明後日でも会えるから。」

「え……、」

なおくんは……

「そんな顔しないで。」

誤解してる。

「ね?」


あせって落ち着かない、あたしの姿が、 


ももちゃんでいっぱいのあたしの姿が、 


なおくんには、 
『なおくんと離れるのを淋しがってる愛希』
に見えた………の…? 


「…ごめん……。」

「いいよいいよ。」

違うんだよ、 

ごめんね………なおくん…。 




なおくんにとってあたしは2番目かもしれない……



でもあたしにとっても……





きっと1番じゃ  ない。