ガチャッ 

「ただいま!どう?電話できた?」

なおくんが戻ってきた。
にっこり笑って聞いている。あたしは戸惑った。 

どうしよう。 


「う…ん……。」

「どうしたの?やっぱり何かあった?」

「あ……えっと……その……」

どうしよう。 


どうしよう。 



あたし… 




あたしは……






あたしは………ッッ 





あたしはケータイをギュッと握り締めた。 





「愛希ちゃん?」



「なおくんごめん。
あたし行かなくちゃ…。」



「え?やっぱり急用?いいよ。わかった。」




なおくんは特に何も聞かずに車を出してくれた。 


あたしも何も言わなかった。 



ずるいことしようとしてるのかもしれない…。



でも、 




もうこの時のあたしには、ももちゃんの事しか考えられなかった。





久しぶりに聞いたももちゃんの声に、自分の気持ちを気付かされた。 






ももちゃんに会いたい。