「ん〜ッッ!あま〜いッ♪幸せ!」 

「ちょっと甘すぎた?」

「うんん。超おいしい!」

なおくんが作ったケーキは驚くほど美味しかった。

あたしは手作りケーキを食べたのは初めてだった。

なんでだろう。

素人が作るケーキのはずなのに、今まで食べたどんなケーキよりもおいしい。

「ホントにホントにおいしい。すごいね、こんなの作れるなんて!」

「おいしいのは隠し味だよ♪」

「?へ〜…、あ!わかっちゃった!」

「え゛っっ、わっ分かったなら言わなくていい!言わなくていい!!」 

顔を赤らめたなおくんの耳元にあたしはキスをした。 

そしてささやく。 

「愛情?」

見つめあって、
笑いあって
キスをした。


なおくんはあたしを抱き締めた。 


強く強く…。 






Tu ru ru ru♪♪♪




「あ、愛希ちゃんケータイ。」

あたしのケータイが再び鳴った。 


そういえばさっきもずいぶんなってたなぁ……。 



あたしがケータイを取り出すと同時に着信音が止まる。 


「どしたの?」

「とまっちゃった。」

「さっきもずいぶん鳴ってたよね。」

「あはは、気付いて………」








あたしは目を疑った。 




目の前が真っ白。 




『不在着信  5件





桃瀬 俊   』




ももちゃ…ん……?