あたし達はそのまま車の中で触れ合った。 


たくさん触れ合って 



たくさんキスをした。 




お互いなにかを求めるように



そこにはない何かを求めるように…… 





抱き締めて 
抱き締められて 

触れて 
触れられて 


あたしたちは
ひとつになる…。



狭い密室の窓は、吐息で白く染まっていた。 



すでに暗くなった空から、丸い丸い月が、窓越しに浮かび上がる。 



そういえばあの日も……




月明かりが眩しかったな…… 






その時……




あたしのケータイが鳴っていた。 





なおくんと重なり合っていたあたしは 



電話に気付かない振りをした。 




待ち望んでたはずの 

その電話に………。