‘手を繋いで浜辺を歩く’
そんな行為はあたしの心を乱す。


期待 
不安 
躊躇い 


でも、

あたしの頭の中の困惑とは逆に、穏やかな感触は消えなかった。



「そろそろ車戻る?」

「そうだね。」

気が付くと辺りは薄暗い。寒さもさっきより増していた。 

あたしたちは車に戻った。 

少し残念な感じ…。 


もう少し……

手を繋いで歩いてたかったな…。 





「ちょっと後ろに乗って?」
「?なんで?」

不思議に思いながら、二人で車の後部座席に座る。
なおくんは助手席のシートを前に倒してテーブル状にした。

「?」

なおくんは20位の箱を置いた。  

箱を見て、あたしは中身か、わかった。 


「ケーキ?」 

「作ったの♪オレ。」

「え……なんで…?」