「あーでも別に友達になりたいわけじゃないでしょ？」


そう聞いてみた。
その子は驚いた表情で

「え？友達になってくれないの？」


と聞き返してきた。
は？って思ったけどもしかしたら
すごくいい人なのかもしれないと思った。

「じゃあ…名前教えて」
「中瀬くるみ♪」
「じゃあ中瀬さんよろしくね」
「中瀬さんじゃなくてくるみでいいよ」

くるみちゃんは天使みたいな笑顔で
にこっと微笑んでくれた。
ほんとに可愛い子だ。
私が男なら惚れてる。

「なら私は愛実で」
「ありがとう♪」
「あ、移動教室だね」
「一緒にいってもいい？」


うれしかった。
でも自然に笑うことなんて忘れた私は
作り笑顔しかできなくて
愛想笑いをかえしておいた

「うん。」


少しばかり無愛想な気もしたけど
笑顔つくっておいたから…いっか。