「すみません…大丈夫ですか?」



この男は…………


いや、女…か?



「大丈夫だ。」


俺がそう言うと女は微笑んで「よかった」と言った。




「なぜ一人でこんな場所にいるんだ?」



俺がそう問うとこの女は少し照れくさそうに話し出した。



「道に…迷っちゃって…」


確かに京の都の道はややこしい。


こいつ京の者ではないのか?


長州の俺でも道はわかる。



怪しい。だがこいつをここに置いていって辻斬りにでもあわれたら後味が悪い。



仕方がない。


「ならば俺についてくるといい。」