「どうだ、高杉?」 「…悪かねえ。」 同じ志を持つ仲間、桂小五郎の問いに俺はそう答えた。 俺らの藩にだって祭ごとはあるが、比べられたもんじゃない。 長州へ帰るのを一日ずらしたかいがある。 「なぁ…小五郎…」 …? 返事がないことを不思議に思って隣を見ると、 いるはずの小五郎がいなかった。 きっとこの人ごみに流されたのだろう。 あと少しだけ祭を楽しむとしよう。