髪の毛長くすればいいのにな……
きっと、間違えられることはないだろうに。
私は、どうしても気になった。
もしかしたら、髪を伸ばして前髪を切ったら、美少女だったりして……
でも、少なからず自分には、及ばないだろうけど……
結局、その日はパフォーマンスは考えつかなかった。
次の日。
「麗ちゃん!」
私は、麗ちゃんに会うなり、麗ちゃんの前髪を上げようとした。
でも、麗ちゃんはすかさず私から離れ、距離を置く。
「美幸、何いきなりするのさ。」
麗ちゃんは私を睨む。
と言っても、目は見えないけどね……
「いやね、昨日ふと思ったんだけど、麗ちゃんってどんな顔なのかなって……」
麗ちゃんは、驚いたように私を凝視する。
そして、はぁーっとため息をついてから、言う。
「じゃあ、少しね。」
そう言って、麗ちゃんは前髪を上に上げた。
ニキビが出来てもおかしくない、前髪の長さなのに、ニキビ一つなかった。