美幸は申し訳なさそうに手を合わせる。
「ごめん、麗ちゃん。私実行委員の方に顔出してから帰るから、先に帰ってて。」
そう忙しそうに言うと、慌ただしく教室を出ていった。
私が帰ろうとしたとき、上山先生が私に言った。
「お前、変わったよな。昔は俺がいくら言っても、行事参加してくれなかったのに……」
私は、先生が気の毒になった。
ごめん、先生。そういえば、そうだったね。私が屋上にいる時以外、毎日のように私を説得させようとしてくれたよね。
それなのに私は、絶対に行事に参加しなかった。
心を閉ざしていたんだ。
「須藤と出会ってからだよな。お前が、色々なことに積極的になって、普通に笑うようになったのは……。」
美幸は、私に色々ことを教えてくれたし、美幸がいるから私はクラスに溶け込めている。
「そこでなんだが、須藤の苦労を無くしてなってほしい。須藤は頑張り過ぎなんだよ、今回のことも。」
私も気になっていたことだ。