誰も手を挙げない。








女子っていうのは、だいたいめんどくさいのを、嫌う。
私も嫌いだしね……








「誰もいないということで、こちらが強制的に決めたいと思います。」








美幸と一瞬目が合う。







嫌な予感がする。








「麗ちゃん。」








ニッコリと美幸は笑う。









勘弁してよ……








私がため息をつくと、拍手が起きた。







みんな、めんどうだからって、私が不幸になってもいいのか?!










答えは、大きな拍手によってわかった。









みんな、鬼だ!








私の心の声など、誰もきいちゃいない。











助けて……








「さて、応援団も決まったところですし、その他種目に出る人を決めたいと思います。」










この後、まるまる一時間、種目決めに費やした。









何せ、うちの体育祭は二日間あるから……