「麗ちゃん……!!」
美幸が泣いていた。
私はびっくりした。
何で泣いているの?
怒ってるんじゃないの?
美幸は涙を流したまま、フェンスへと近づいていった。
「麗ちゃん、ごめんね。私さ、麗ちゃん悩んでたのに、何にもしてあげられなかったね……」
何、何なのこの子いきなり……
「私が悪いんだ。私が全部……」
美幸は、そう言ってフェンスを飛び越えようとしていた。
「待って!美幸、ちょ、待ってったら……悪かったのは私よ。言わなかったのは、悪かったから、お願いだからこっち来て!」
美幸はなおもフェンスを、飛び越えようとしている。
こっちも泣きたくなりそうだ……
「美幸!なんでも、きいてあげるから!」
それを聞いて、美幸の体がピクっと動いた。
美幸がこっちを向く。
「本当に?」
私は、黙ってうなずいた。
それを見て美幸は、下を向いた。そして、ニヤっと笑ったのだ。
「約束だからね?」
やられた。