Side 麗
やってしまった。
陸上のことになると、いつもこうだ。
でも、上山先生もみんなの前で、わざわざ言うことないじゃないか。
でも、もう話しちゃったよな……きっと。
私は、知らない間に、屋上に来ていた。
多分、もう習慣付いてるな。
私は特等席に寝転がった。
美幸、怒るだろうな……
想像するだけで恐い。
私はそのようなことを考えていた。
ああ、眠くなってきたな……
私が目を閉じようとしたとき。
バンバンバン
階段を誰かがあがってくる音がした。
私は目を覚ます。そして、階段の方をじっと見る。
あがってきたのは、美幸だった。
「美幸……」
美幸は、何も言わずにただ近づいてきた。
怒られる。
私が覚悟したその時。