「いや、今回一番得点が多いのはクラス全員リレーと選抜リレーだ。雨宮は、きっと速い。多分この学年で一番速い。」
「なんの根拠があって、言ってるんですか?」
「根拠なんてない。」
即答ですか……
私が呆れていると、クラスのみんなが私に目線を送ってくる。
?マークの私に、誰かが言った。
「美幸、と言うことだから、雨宮さん運動会に参加させて。よろしく。」
え?
みんな、今ので納得しちゃったの?疑問持たないの?
そこで、誰かが一言。
「美幸にしか、出来ないから。」
ピーン
私のナルシストレーダーが察知。私しか出来ないことをやる。
「任せておいて。なーに、麗ちゃんなんて、私がちょちょいのちょいよ。ま、私だから、出来ることだけからね。」
クラスのみんなは、ハイハイ。という顔をしている。
そんなことは気にせずに、私は麗ちゃんのもとへと向かった。
美幸が教室から出ていった後。誰かが呟いた。
「美幸ってさ、あのナルシストさが無かったら、彼氏出来てるのにね……」
頷いたのは、女子だけでなく男子もだった。
だが、みんな知らない。
美幸には、神谷という彼氏がいることを……